動機と目的
さて、ワタクシは以前から大容量ライブラリの読み込みが遅いということに不満を抱いており、以前からRamディスクを利用してみてはと考えておりましたが、XP32Bitが認識できるメモリ容量は4GB弱までであり、ディスク容量には少々少ないと考え、実践はしませんでした。
Gavotte Ramdiskによりメモリが合計8GB利用できるという話題が広がったのがつい先日。ワタクシもその祭りに便乗しようと思い早速メモリを購入いたしました。Ramディスクの用途でよく言われるのはそのアクセス速度の速さから、一時ファイルの置き場、作業用フォルダとしての利用などがあげられていますが、DTM的には作業用フォルダに指定する、ライブラリの保存先などに利用するとよいのではないでしょうか。
ここではライブラリの保存先として利用した場合、これまでとどの程度効率があがるか、ということに焦点を当てたいと思います。
実験方法
今回は友人の協力の元、合計8GBのメモリを載せ、Gavotte Ramdiskにより4GBほどのRamディスクを作成、HDDとRamディスク両方に同サンプルを用意しHDDとRamディスクそれぞれからサンプルを読み込んだ場合にかかった時間を比較してみることとしました。
ちなみに今回使用したPCのHDDとRamディスクそれぞれのアクセス速度は以下の通り。
HDD
Ramディスク
CPUのクロックによって速度が変わるようです。ちなみに今回使用したCPUはAthlon64 X2の4800+。E6600あたり使えばSeqが4000ほど、512kが2500ほどまであがるようです。まぁHDDと比べれば桁違いな速度とはいえますがね。
今回は4つのライブラリ、合計3.8GBのサンプルをKONTAKT3を用いてSSW8.0VSで読み込んでみます。
実験
結果
ファイルを開き、サンプルを読み込んで打ち込みできるまでにかかる時間
HDD・・・4分35秒
Ramディスク・・・1分20秒
大体4倍の速さで読み込んだという結果でしょうか。
考察
思ったほど速くはありませんでしたね。開けばパパパパっと読み込んでくれるのを期待したんですがってかまぁこの程度の投資から考えれば十分といえるほどの速度だとは思うんですけどね。クロックの高いCPUなら速度向上が期待できるかもしれません。
あと今回DFDの設定は一切行っていません。ちょっと弄った感じではそれほど読み込みに影響があったようには感じませんが、メモリを効率的に使うにはこの辺の設定も必要でしょう。
ときどき、Ramディスクでも読み込みがもたつくときがあります。何が原因かはわかりませんが、相性がいいサンプルならもっと読み込みが速くなりそうですね
あと大事なことを言い忘れてましたが、RamディスクはCPUをかなり食います。大体50~60%ほど。よっぽどCPUの力が余ってるってんならいいのでしょうが、VST使いまくりでほとんど余裕がないって方は注意です。
Ramディスクは電源を消してしまうとデータが消えてしまいますが、起動後すぐにRamディスクにデータをコピーする方法などがネット上で公開されております。また、スタンバイ状態にしておくなど、常にメモリに通電するようにしておけば理論的にはRamディスクのデータは消えません。(我が家の環境ではS3復帰でもデータに異常はありませんでした。)
最近はメモリ値上がりの傾向がありますが、それでもDDR2なら2GBあたり4000円前後で買えてしまいます。サンプルの読み込み時間に悩んでいる方、この機会にRamディスクを導入されてみては如何でしょうか。